大地の芸術祭「越後妻有アートトリエンナーレ2009」と言うのを知っているだろうか?
ある雑誌で知ったこのイベントですが、9/13日までと言うことで、半ば強引に家族をつれ見に行ってきました。一言で感想を言うならば「素晴らしく面白い」。
以前行った瀬戸内海の直島で行われていたプロジェクトをもっと壮大に取り組んでいる感じです。
直島と同じく、総合プロデューサーにベネッセの福武さんが関わっています。
新潟県十日町市、津南町の合わせて360K㎡の大地に約370点の現代アートがちりばめられています。
370点と言っても、広大な土地なので、地図を見ながら山越え谷越え、田んぼ道を走り、林の中を抜け、まるでウォークラリーのようでした。もちろん移動は車です。
田んぼのど真ん中や、小さな集落にいきなり出てくるアートは、見つけたときの楽しさと、それ自体を鑑賞する楽しさと2重の楽しさがあります。また、作品も、廃屋や廃校、小屋などを利用したものも多く、見るだけでなく、空間として体で感じるアートが多く、子供からお年寄りまで楽しめるのではないかと思います。
「建具のニワ」 格子を踏まないように進んでいきます
「再構築」古い小屋全面に小さなガラスが張られています。風で鏡がゆらぎます。
「もう一つの特異点」再生された古民家の黒塗りの中に、無数のワイヤーが張られています。
「絵本と木の実の美術館」最後の卒業生は3人。廃校になった小学校を舞台に永遠の主人公が飛び回る。
「福武ハウス」廃校の校舎を舞台に7人のアーティストのギャラリー。
「最後の教室」人間が不在の廃校を通して、命を考えさせられます。
その他にも多くの展示を見ましたが、なんせ規模が大きいので一日に廻れても10か所位でしょうか?
松本・安曇野からでしたら、日帰りでも十分楽しめます。
車でドライブしながら回るのは、その地域の地元民しか行かない場所にも踏み込むことになります。この開催に、地元住民との調整が相当大変だったと聞いていますが、逆に、このイベントを通して、住んでいれば当り前である風景が、実は宝であることに気づいたのではないかと思います。
それに引き替え、廃校の多さ。深刻な過疎化の問題。たった一日ですが、アートを通してこの地域が抱える良い面と悪い面を見る事が出来たと思います。
来週までの開催ですが、時間のある方は見に行く価値はあると思います。