2009年も気付けば明日が大晦日。
今年も一年間、多くの方に支えられ無事に過ごすことができました。感謝感謝です。
一年を振り返ると、3月に社長に就任したことで、今までとは大きく役割と責任が変わりました。
そして、未曾有の不景気の波。今年も多くの企業が倒産し、この時代の経営とは何かを考えさせられる一年でもありました。
建築業界も、住宅着工数が過去最低の水準であり、非常に厳しい時代であることに違いはありません。
収入が安定しない中、住宅ローンがなかなか組めない話も聞きます。
また、数年前に組んだローンが生活を圧迫し始め、銀行も借換を勧めるなど、生活の基盤自体大きく変化している時代だと感じます。
そんな時代で、SAN’AIが取り組むべきことは何か。
それは、「代々暮らす家づくり」というコンセプトそのものだと思います。
高度成長時代の暮らしを基本として考え、車・PC・携帯電話etc・・ の生活固定費が増える一方、その暮らしに見合った収入が見込めず、先行き不安な生活を送っている方も多いはずです。
そんな時代こそ、人生で最も高額な資金を必要とする「家づくり」を考える必要性があります。
それは、ある意味常識を常識と考えない事が必要ではないのでしょうか。
つまり、「家づくり」を考えるとき、デザインや性能、設計者、メーカー・・などなど考える前に、「家を建てるべきか」という議論が無いことはおかしいんではないかと思います。
「家づくり」=「家を建てる」ではないんだと思います。
家づくりとは暮らしを考えること。暮らしは、何も新築だけではありません。
大事なことは、「2世代、3世代後まで暮らしを考えられるか」ということだと思います。
土地を取得して、新築するなら、その土地・建物が自分の孫の代にどうなっているのか考えるべきです。
同時に、代々暮らすための暮らし方や、地域との関わりの考えが生まれてくると思います。
暮らしを代々考えて、マンションやアパートで暮らすんであれば、それはそれでいいと思います。
住宅着工数が減っていくのは当たり前のことなんです。
それを、マンモス化してしまったハウスメーカーという存在は、それでも「暮らし」を無視し、販売戸数の確保のため強引にローンを組ませ家を販売している現状は、はたして日本の暮らしはどうなるものかと感じます。
以前、「
文化」に触れましたが、今はまさに「文化」を考える時ではないかと思います。
今、長期優良住宅が宣伝文句として大きく出回り始めています。
SAN’AIでも、長期優良住宅への対応はもちろんできます。
しかし、長期優良住宅であればどんな家でもいいかというのは別問題です。
長期優良住宅も「代々の暮らし」ありきで考えていかなくてはいけません。
家は長持ちするが、暮らしが長持ちしません、では困ります。
欧米や都会のように、性能の高い家が優良ストックとして中古市場に流通できればいいと思いますが、私たちの暮らす地域は、逆に長くその地に暮らして行く中で、文化が築かれていくものだと思っています。
年末にいろいろ書かせていただきましたが、いずれにしても、私の考えは貫きとおし、来年も頑張っていきたいと思います。
本年も、多くの方と出合い、多くのことを学ばせていただきました。来年も、変わらずのご愛顧よろしくお願いします。