今日、お得意様のお客様の所へ風呂釜のロストル(薪を受ける鋳物製の受け)をお届けに行った時の事。
そのお宅のすぐ横にはどこかで見た事のある小屋が。。。。
「!?三谷さんの家だ!!」
三谷さんの家は、私の最も好きな建築家の一人中村好文さんが手がけ、第一回吉岡賞を受賞した住宅です。
暮すための最低限の空間を、小屋を増築して創られております。延べ面積で9坪という家です。
中村さんの著書には幾度となく登場し、最低限の最高の空間としてとても共感できる部分がありました。
そして、この住宅の住人はあの木工作家の三谷龍二さん。
三谷さんの作品もまた、素晴らしい作品なんです。
お客様と話をして帰り際に「あそこのアトリエは三谷龍二さんのアトリエですよね」とお客さまに尋ねると、「よく知っているね、地元の人でもあまり知っている人はいないんだよ~」とのこと。
「三谷さんも有名ですが、あの小屋も有名なんです。」というと、「じゃ見せてもらうか」とつかつか歩いて行くではありませんか。心の準備が出来ないまま玄関をたたく「三谷さんいるかい~」「・・・・・」どうやら留守の様子。
残念な気持ちでいると、「あっちに事務所あるからそこにはいると思うが」とまたつかつかと。
事務所のドアをたたくと、出てきたのは三谷龍二さん御本人。
あわてて名刺を差し出し「中村さんが好きで、外観だけでも見させてください」と言うと、「中も見てみる?」と言っていただけました。夢みたい。。
おこがましくて写真も撮れず、ただただ眺めては三谷さんに質問しての時が過ぎました。わずかな時間でしたがとても贅沢で貴重な時間でした。
最後に三谷さんに「頑張ってね」と言っていただきとても励みになりました。
本で見る外観とは廻りの環境が大きく変わった様子。前面の道路が広くなって、部屋が丸見えになってしまったと言っていました。
計画に当たり中村さんに要望した事は?との問いに「最低限の空間」との答えが帰ってきました。
「暮し」を突きつめて考える施主と設計者の関係がこのような素晴らしい空間を生んだのだと改めて感じました。
想いを形にする。私も頑張っていきたいと思います。