浴室と脱衣室の改修工事が完了しました。今日から新しいお風呂での暮らしが始まります。
暖かく、明るいお風呂で毎日が楽しくなりそうです。
そんな浴室では、年間で約1万7千人の方がCPA(心肺停止状態)に陥ってしまうと言われています。最大の原因はヒートショックです。浴槽と洗い場の温度差や浴室と脱衣室の温度差により心筋梗塞や脳梗塞を起こしてしまい、最悪の場合命を落とすこともあります。命は守れても、その後の後遺症で苦しむ方も少なくありません。日本人の暮らしは、我慢強く、耐えることが文化という風潮があります。忍耐強いことは悪いことではありませんが、その裏で、ヒートショックなどの影響を受けてしまう事も多くあります。
浴室の工事を依頼される方で、寒いタイルのお風呂でおじいちゃんが倒れてしまい、手足に後遺症が残ってしまったので、暖かくバリアフリーの浴槽にしたいという相談が結構あります。出来れば、おじいちゃんが倒れてしまう前に住宅の温熱環境を改善するべきだったのではと思います。しかし、寒さによるヒートショックの事実をあまり知られていないことに驚きます。
寒ければストーブを焚けばいい。そう考えている方も少なくありません。家がなぜ寒いのか?寒さの原因は何なのか?その原理を理解し、家づくりを考えていけば家中ヒートショックの危険性のある暮らしは回避できると思います。寒いからと言って、石油ストーブを廊下や脱衣室やトイレなど家中に配置し、灯油をバンバン消費する暮らしは、空気の環境も良くなく、灯油コストがかかり、しかも中々暖かくなりません。目先だけのコストや見かけだけのリフォームではなく、代々長く使うために家をトータルに相談いただいた中で、優先順位をつけ、改修していく事が大事ではないかと思います。