先週末に、東京に行く機会があり、時間がとれたのでしばらく行っていなかった東京の建物探訪に出かけました。
今年出来たばかりの東横線渋谷駅(安藤忠雄氏設計)から、表参道の裏道の建物などを見て回りました。

その後、表参道から少し離れた場所にある、一度は見てみたかった「塔の家」を見に行きました。竣工後約40年経っている外観は、かなり痛んでいる様子でしたが、わずか6坪に建てられているという建物のスケール感は、実施に目にして「本当に小さい」としみじみ実感しました。

スケジュール的に厳しかったのですが、今回絶対に行きたいと思っていた場所があります。それは、目白にある
吉村順三ギャラリーです。吉村順三設計事務所がかつてあった場所がそのままギャラリーとして見れるようになっています。当時の打ち合わせ室がそのまま見学できるようになっていて、そこに、あの「吉村障子」が建てられています。吉村障子とは、障子の桟の見付をすべて同一寸法にそろえる事で、閉めた時に一枚の大きな障子に見えるという納め方です。

ギャラリーでは、偶然にも「ソルフェージ・スクール」展が開催中で、壁一面に青焼きの設計図が貼ってありました。しかも、建物が歩いていける距離という事で、なんと見学までさせてもらえました。

音楽教室(この教室から多くの世界的な音楽家が育っているらしい)と言う事もあり、住宅とは少し違うイメージでしたが、所々にこだわりのディテールを見る事が出来ました。天井のラワンベニアも、約40年の歳月を経て、朽ちるのではなく、味わいのある素材へと変化を遂げていました。
今回の土間のある家でも、吉村障子(吉村事務所のスタッフは、そのような言い方をしていないみたいで周りの人が呼び始めたとの事)を参考にした障子を考えています。障子が建てこまれるまで、もうしばらくお楽しみです。