みなさんは
Q値と聞いてピンとくるでしょうか。
Q値とは熱損失係数のことで、簡単に言うと家の断熱性能を数値で表すことです。
「長野は寒いから断熱をたんと入れておいたでね」とか、「こんなに厚い断熱材を使っているから暖かい家」などの話をよく耳にします。
たんと(方言でいっぱいの意味)とは、何を基準に「たんと」なのか?厚い断熱材って、何と比較して厚いのか。
なぜその断熱材を使い、なぜその厚みにしたのか、しっかりと答えられる方は少ないかも知れません。
それらはすべて「熱損失係数 Q値」によって数値で示すことができます。
そのQ値の目標数値として、「
次世代省エネ基準」が定められています。6つの地域に区分されており、長野県はⅡ地域とⅢ地域の区分にあてはまります。
そんな基準すらも知らない人は多く、現在新築の住宅で次世代省エネ基準を満たしているのは3割に満たないといいます。およそ7割の新築住宅が、エネルギーを多く使い、部屋ごとの温度差が激しい快適でない家になっている可能性があります。
そんなことから、私が設計する家ではQ値計算と
CASBEE評価は必ず行うようにしています。

Q値の試算に使っているのが、新住協で出している「QPEX」というソフトです。今まではver.1を使っていましたが、今度、バージョンアップしたver.2を購入しました。ver.2では、基礎断熱の評価の仕方やアメダスの気象データが124地点から842地点へ増加されました。これでより地域に合ったQ値を出すことができます。
Q値やCASBEEなどの数値でしっかりと評価できる住宅が、20年後、30年後の家の価値、資産として必要ではないのかと思います。
北海道ではQ値が1.0の住宅を示す「Q1住宅」の表記だけで、その性能を一般消費者の誰もがわかります。
長野県で「Q1」がどれだけの性能なのかわかる方は少ないのではないでしょうか?